大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

法隆寺・小考1

法隆寺夕暮れ

: 法隆寺は実に不思議な寺ですね。最近読んで面白かったのは『法隆寺の謎を解く (ちくま新書)』 武澤 秀一 (著) 。本書では以下のように問題が提起されます。

 ー法隆寺は世界最古の木造建築として“世界遺産”に指定されている。しかし実は、私たちが目にしている法隆寺は七世紀後半から八世紀初めにかけて「再建」されたものであり、そうしたことがわかったのは一九三九年になってからのことにすぎない。聖徳太子による創建から「再建」達成までの百年間は、仏教の日本化と並行して、古代王朝の内部で激しい権力闘争が起こった時期でもあった。仏教やヒンズー教などのインドの宗教建築を踏査してきた著者が、回廊の構造や伽藍の配置などから古代世界を読み解く、空間的な出来事による「日本」発見(本書内容紹介より)ー

<目次>は以下のとおりです。


序章 法隆寺の謎(謎解きのまえに解き明かされる謎の数々)
第1章 法隆寺をめぐる(門前にて、中門の中で、そして塔と金堂、塔の中で、金堂の中で)
第2章 めぐる作法/めぐる空間(めぐる作法の伝来、五重塔と柱信仰、列柱回廊をめぐる、夢殿へ
祈りのカタチ)
第3章 法隆寺は突然変異か(門の真ん中に立つ柱、なぜ法隆寺だけなのか、法隆寺以前の伽藍配置、法隆寺ファミリーの誕生、謎の柱はビテイコツだった)
終章 日本文化の原点に向かって(タテとヨコ、南北と東西、血統と流儀、そして新創建を進めたのは誰か、空白の誕生、そして大陸起源か日本起源か)

  筆者は建築の専門ですが、伽藍配置といい、各建築の特色の解説といい、最近の研究を踏まえてとてもわかりやすいですね。

  全体に、Q&Aで問題点を出して答えを書いていくといった感じだな。読むと、実は謎というのはそうはないような気になる。本の構成がうまく、そのあたりがユニークな解説書じゃないかな。
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