大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

聖徳太子について(8)

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 松本清張「聖徳太子の謎」(『日本史謎と鍵』平凡社刊 1976年所収)を読む。もともとは、より以前に雑誌『太陽』72年10月号に発表されたものだから、1970年代から「聖徳太子はいなかった」論に、ときの強力な文豪が援軍が加わったことになる。論旨明解で、文献考証力にも優れた力作。
 蘇我馬子のイニシアティブによる政治的業績が、彼ほか蘇我一族が滅亡後、「国賊」になることによって、同時代の太子の業績にほぼ全て転化されたとする論旨である。日本書紀の編纂は太子没後約100年後であり、この間にその転化が周到に行われたとする見方である。反権威主義的な主張は、文献の書かれた政治的な背景を考え、歴史の暗部に光をあてる。

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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