大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

東京国立博物館にて

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応挙館 (おうきょかん)
木造平屋建て、瓦葺き、間口15m、奥行き9m、18畳2室、廻廊下を巡らしています。床張付等には、円山応挙のものと伝えられる墨画が描かれています。
※ 応挙館の障壁画については、作品保護のため複製画に差し替えました(2007年8月)。
http://www.tnm.go.jp/jp/guide/useFacilities/index.html

 東博には、なかなか立派な庭園がある。時々、開園している。その時はいつも散策する。今日は、桜の季節なので開園しており、かつ、茶室で一服という趣向もあった。園内に5つある茶室のうち、最大の規模の応挙館での茶会であり、ボランティアの方々の周到なおもてなしで、実に清々しい充実した時間を過ごすことができた。

 それ以外は、ほとんど法隆寺館で小金銅仏を見て、閲覧室で久野 健 (著), 田枝 幹宏(写真)『古代朝鮮仏と飛鳥仏』を読んでいた。「西暦7、8世紀の主要な古代朝鮮仏の仏像の写真を多数収録。さらに、この写真をもとにした古代朝鮮仏と日本の飛鳥・白鳳仏との関係についての考察を付した。東出版1979年刊」という内容である。ほかにも数冊、飛鳥仏関係の本を手にとって読む。こちらもこよなく豊かな時間である。

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 故人となった久野健氏の功績は大きい。というよりも、「文献史学」という狭い器を壊して、近代的な仏像研究の道をひらいた第一人者であったと言えよう。X線の透視撮影ほか光学的計測手法の導入がよく知られるが、東北や関東など地方仏の研究でも、彼が先鞭をつけた地域は少なくない。その特質の分析しかりである。
 それだけではない。『アフガニスタンの旅』 (1977年)、『渡来仏の旅 』(1981年)、『敦煌石窟の旅』(1981年)、『龍門・鞏県石窟』 (1982年) 久野 健、杉山 二郎、石井 久雄、 渡辺 俊文の共著など海外との比較研究でも大きな足跡を残した。
 飛鳥、白鳳仏に関しても、『白鳳の美術』 (1978年)、『飛鳥白鳳天平仏』 (1984年) (法蔵選書〈28〉などの成果がある。文章も平明、直観力にも優れた研究者であったと思うし、学生時代から、いまに至るまで、その労作のお世話になっている。


(参考)
久野健 くの-たけし 1920‐2007年
昭和-平成時代の美術史家。
大正9年4月19日生まれ。昭和20年文部省美術研究所(現東京国立文化財研究所)にはいり,日本彫刻史の研究をおこない,34年神奈川県浄楽寺で運慶作の像5体を発見。53年情報資料部長。仏像研究に日本ではじめて光学的方法を適用し,成果をあげた。仏教美術研究所長。平成19年7月27日死去。87歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「平安初期彫刻史の研究」など。
http://kotobank.jp/word/%E4%B9%85%E9%87%8E%E5%81%A5

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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