大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

東京国立博物館にて

平成22年新指定国宝・重要文化財
本館特別1・2室 2010年4月27日(火)~5月9日(日)
主催:文化庁、東京国立博物館


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重要文化財 木造地蔵菩薩立像 快慶作
鎌倉時代・13世紀 大阪・藤田美術館蔵

大きさ 像の高さ58.2 台座の高さ16.9 光背の高さ84.8センチ 年代 鎌倉時代 (13世紀)
飛び来る雲に乗った、来迎相の地蔵菩薩。地蔵は錫杖と宝珠を持ち、透かし彫りの舟形光背を負う。彩色された着衣の切金文様も美しく、全てが製作当初のものである。
鎌倉時代の仏師快慶とその後継者行快(ぎょうかい)の署名があり、快慶晩年の作と考えられている。また、体内には巻子が納められている。
http://www.city.okayama.jp/museum/fujita/jizobosatu.htm

 東博でほぼ半日を過ごす。今日の目当ては上記の快慶作の「新重文」である。秀作である。なんども見て、また会場に戻り前に立つ。小振りながら実に緻密、繊細、気品にあふれた快慶の晩年の逸品。これだけを拝顔するだけで上野に足を運んだ十分な価値がある。
 もう一つ。「細川家の至宝」展では、彫刻にはまったく期待しないで入ったのだが、下記ほかの諸仏の由来は大いに参考になった。美術品の「公的」所有と「私的」所有の境界とは何かを、歩きながら考えていた。


特別展「細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクション-」 平成館 2010年4月20日(火)~6月6日(日)

 永青文庫は旧熊本藩主・細川家に伝来した文化財を後世に伝えるために、16代細川護立(もりたつ)によって昭和25年(1950)に設立されました。その名は中世の和泉上守護家の祖・細川頼有(よりあり)以後、8代にわたっての菩提寺であった京都建仁寺塔頭永源庵の「永」と、近世細川家の祖・細川藤孝(幽斎)(ふじたか(ゆうさい))の居城青龍寺城の「青」の二字をとったものです。幽斎の和歌資料や2代忠興(三斎)(ただおき(さんさい))所有の利休ゆかりの茶道具、細川ガラシャ遺愛の品々や宮本武蔵の絵画など、その所蔵品は古文書類も含めると8万点を超える日本有数の文化財コレクションです。

 本展では、激動の歴史を生き抜き、古今伝授、能、茶の湯などの文化を守り伝えた細川家に伝来する貴重な美術品や歴史資料を展示し、細川家の歴史と日本の伝統文化を紹介いたします。また、細川護立が収集した美術品の中から選りすぐりの名品を出品し、近代日本を代表する美術コレクターである細川護立の眼と人物像に迫ります。

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重要文化財 如来坐像 伝中国陝西省西安青龍寺 中国 唐時代・7世紀末~8世紀初 東京・永青文庫

 護立の収集したさまざまな仏像のうち、質量ともにその中核をなすのは中国・唐時代の石造仏で、本像もその内の1点です。写実性に富み、均整の取れた見事な造形の如来像で、西安の青龍寺から請来したと伝えられます。青龍寺は唐代の長安城内の新昌坊(しんしょうぼう)の中にあった寺で、わが国の空海や円仁などが密教を学んだ寺として有名です。記録から、昭和3年(1928)に建築史家の関野貞(せきのただす)の紹介によって、岡倉天心に師事して中国美術を収集していた早崎梗吉(はやさきこうきち)から購入したことがわかります。
彫刻以外の見どころも多い。以下は参考まで、3つの特別展示から。

平成22年新指定国宝・重要文化財
本館特別1室・特別2室 2010年4月27日(火)~5月9日(日)
主催:文化庁、東京国立博物館


 重要文化財とは、日本にある絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料、建造物などの有形文化財のうち、文化史的・学術的に特に重要なものを、かけがえのない国民の財産として後世に伝えるため、文部科学大臣が指定するものを指します。また、重要文化財の中でも特に優れたもの、学術的に価値の高いものなどが国宝に指定されます。

 本展では、平成22年(2010)に新たに国宝・重要文化財に指定される美術工芸品のうち、国宝「越中国射水郡鳴戸村墾田図」、「伊能忠敬関係資料」をはじめ、40件(写真パネル展示3件を含む)を展示します。

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国宝 伊能忠敬関係資料(部分) 江戸時代・19世紀 千葉・伊能忠敬記念館蔵

特別展「細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクション-」

平成館 特別展示室:2010/4/20~2010/6/6
 旧熊本藩主・細川家に伝来した文化財を後世に伝えるために、16代当主細川護立が昭和25(1950)年に設立した永青文庫所蔵の名品ならびに細川家ゆかりの品々を紹介します。細川家の歴史と美術、日本の伝統文化に触れるとともに、近代日本を代表する美術コレクターである細川護立の眼と人物像に迫ります。

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黒糸威二枚胴具足 細川忠興(三斎)所用 安土桃山時代・16世紀 永青文庫蔵

 細川忠興が、関ヶ原の合戦で用いた甲冑です。50回に及ぶ戦陣を経験した忠興は、実戦に基づく実用本位の独特の形式の甲冑を使用しました。この形式は忠興の号などによって三斎流、越中流と称されて、甲冑の一つの模範とされました。細川家ではこの甲冑を「御吉例(ごきちれい)の具足」として尊重し、歴代の藩主もこの形式に基づいた甲冑を製作しています。

古今和歌集(元永本)こきんわかしゅう(げんえいぼん)

2010.4.C0019220
2帖 彩箋墨書 縦21.1 横15.5 平安時代 国宝 B2814 三井高大氏寄贈

■解説
『古今和歌集』の仮名序と20巻を完存する最古の写本が,この元永本である。数種の染紙にさまざまな型文様を刷り出した料紙を表とし,その裏側は金銀の切箔・野毛・砂子などを撒いた豪華なものである。秀麗な書は藤原行成の曾孫・定実(?-1077-1119-?)の筆と推定されている。

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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