大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

仏像研究の系譜1 科学の力

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久野健『仏像』(学生社 1961年初版、所有本は1979年の重版、以下「久野1961」という)

は、仏像研究での新基軸をだした名著である。巻頭の「X線で仏像をさぐる」ほかの論文はどれも当時にあって画期的な方法論を提示しており、こうしたX線などの機械を駆使し分析したデータによって、仏像研究にまったく別の見方があることが明らかになった。
 仏像を信仰の対象として眺めるのではなく、科学の光をあてるこの路線はさらに進化をみる。

山崎一雄『古文化財の科学』(思文閣出版 1987年、以下「山崎1987」)

では、以下の方法論が示される。
1.顕微鏡、2.紫外線、3.赤外線、4.X線透過法、5.X線回帰法、6.蛍光X線分析法、7.ベータ線後方拡散法、8.微量化学分析法
 たとえば鶴林寺太子堂で、赤外線サイバーショットでくすんだ堂内の絵が甦ったなど、最近の成果には枚挙にいとまがない。「山崎1987」での顔料分析や火災でのその変化や鉛同位体比分析などの成果を読んでいると、今後もこうした接近法の威力には驚かざるをえないだろう。

(参考文献)
第440号(1987年11月、B5判)
【特集】美術史研究とコンピューター
美術史研究とコンピューター(高見沢明雄)
美術史研究における情報と電算機の利用-情報の共有化をめぐって-(米倉迪夫)
大和文華館の美術研究システム(早川聞多・藤田伸也)
美術史研究者(個人)にとってのコンピューター利用の可能性(須藤弘敏)


第533号(1995年8月、B5判)
クラスター分析による古代の誕生仏の研究(高林睦子)
枡に捺された法隆寺印(東野治之)
博物館書目誌稿 帝室本之部 医学館本篇 『有林福田方』について(下)(佐々木利和)

第532号(1995年7月、B5判)
東寺講堂諸像と承和前期の作風(丸山士郎)
観心寺観音菩薩立像について(下)(岩佐光晴)

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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