大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

仏像ーそのプロフィルー

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入江泰吉・青山茂共著『仏像ーそのプロフィルー』/カラーブックス 保育社/1966年

まえに取り上げた望月信成、佐和隆研、梅原猛『仏像―心とかたち』 (NHKブックス20)、『仏像 続―心とかたち』 (NHKブックス 30)1965年(以下<梅原>と略記)の翌年に、入江泰吉・青山茂共著『仏像ーそのプロフィルー』/カラーブックス 保育社/1966年(以下、<青山>と略記)がでていますね。
 これは如来、菩薩、明王、天の順番にそって仏像がとりあげられていることで、<梅原>と同じ路線にそっています。

その後随分あとですが、同じような本として『仏像のみかた』入江泰吉・關信子共著/カラーブックス 保育社/1979年(以下<關>と略記)もでています。

なるほど、出版社(保育社)もシリーズ(カラーブックス) も同じか・・。入江泰吉さんの写真(共著)も共通していると思いますが、<青山>と<關>の両著はどこが違うのかな?

<關>では、まず、大切な「仏像の歴史」が述べられています。そして、そのあと「仏像イコノグラフィー」として、さきほど<青山>でおっしゃったのと同じように、如来、菩薩、明王、天部の説明があります。そして「材質と技法から見た仏像」が続きます。コンパクトな本ですが、とても良い構成の本ではないでしょうか。

貴女は、いつも様式論が重要だと言いますから、「仏像の歴史」、「仏像イコノグラフィー」、「材質と技法から見た仏像」の3部構成は好ましいのでしょうね(笑)。

はい。様式論というか、歴史との関係で仏様をみていくことは、とても大切だとわたくし思いますけれど、それだけではなくて、最後に「仏像の見方ー結びにかえて」の關さんの仏様への細やかな心配りの言葉こそ見習えたらいいなあって感じます。

青山さんは毎日新聞学芸部の記者だった人ですが、ほかにも『奈良』、『大和古寺巡礼』、『平城京時代』なども先行して出版しているようですね。たいしたものです。
 でも、申し訳ないけれど本書<青山>は、もちろん個々の仏像の見方で異なる点は多々あるけれど、全体の構成は<梅原>の焼き直しという気がしますね。
 ぼくは様式論は苦手で、むしろ経典や儀軌などにそったこちらの構成のほうが好みなんですが、<梅原>のインパクトがあまりに強かったということかな。でも<青山>も良く読まれた本のようですよ。なんせ<梅原>は正・続の2冊本で、持って歩くには<青山>のハンディさはいいですね。

そういえば、井上政次『大和古寺』1941年と、亀井勝一郎『大和古寺風物誌』1943年との関係もありましたね。こちらは<亀井>本のほうが井上先生の本よりも2年あとに出版されたのですが、亀井さんの本がベストセラーになりました。

でも、こうして見てくると面白いなあ。仏像本も時代時代でブームがあって良い本が固まって出版されるんですね。いまもそうですね。最近の仏像本の大量出版は、かってと比較しても空前絶後じゃないですか。前にも言いましたが、それだけ、仏像の<癒し>の魅力が現代人には強いということかな・・。

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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