大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

仏像研究の系譜5 仏師の眼

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 仏師、仏像修理の専門家が仏像を論じるーそれはまちがいなく「プロ」の眼である。彼らは、当初造像した仏師や、その後時代時代で、それをしっかりと受けとめ修理し後世にバトン・タッチしてきたさまざまな仏師の仕事を自ら追体験するのみならず、復旧作業を通じて各々の時代の証人ともなり、また、後世に評価を委ねる歴史の継承者でもある。
 そうした仏師たちは、かつては無言の技術者であった。しかし現代では、その知見、経験、思想を自ら積極的に語るようになってきた。(故)西村公朝氏は、そうした仏師のなかでも著作も多く、その語り口は平明ながら重く、そしてなによりも「創作の秘密」をわれわれに教えてくれる。手元には以下の3冊の座右の本がある。

『仏像の再発見 鑑定への道』(1976年)吉川弘文館(以下、「西村1976」という)
『仏の世界観 仏像造形の条件』(1979年)吉川弘文館(同「西村1979」)
『仏像物語 仏はどこに、どんな姿で。」(1988年)学習研究社(同西村1988」)
 

 3冊のほかにも西村本は数が多いのでよく目にするが、そのなかにあって、緻密さ、内容の豊かさからみて、「西村1976」が圧巻であると思う。ここには素人ではわからない「仏像」そのものへの意想外の指摘がふんだに盛り込まれている。
 西村本に先行して、仏師であり古美術を論じた奈良仏師、太田古朴も重要である。手元には以下の3シリーズ本(これは本ブログでも登場する畏友O氏からのプレゼントである)ほかがある。

『飛鳥・奈良』 (1971年) (仏像観賞シリーズ〈1〉) 綜芸舎(以下、「太田1971」)
『平安藤原』 (1972年) (仏像観賞シリーズ〈2〉) 綜芸舎(同「太田1972」)
『鎌倉吉野』 (1975年) (仏像観賞シリーズ〈3〉) 綜芸舎(同「太田1975」)
『日本の仏像 意味と観賞の仕方』淡屋俊吉との共著(1978年)三学出版


 京都仏師では松久朋琳が著名。具体的な彫刻技法の指南など、これも厖大な著作があるが、手元本は次の2冊。

『京佛師六十年』(1973年)日貿出版社(以下、「松久1973」)
『仏像彫刻のすすめ』(1973年)日貿出版社(同「松久1973ー2」)


 最近、読んだものとして、藪内佐斗司のNHK教育TVのテキスト「ほとけさまが教えてくれた 仏像の技と心」(2007年)<知るを楽しむこの人この世界> 日本放送出版協会がある。この人も今後の著作が期待されるだろう。

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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