大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

原色日本の美術〈第2巻〉法隆寺 (1966年)

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2007年7月28日久野健(くの・たけし)氏が87才でご逝去された。心からご冥福をお祈りします。

 『日本の彫刻』世界文化社、『法隆寺と飛鳥の古寺』(日本古寺美術全集1)集英社、久野 健・辻本 米三郎 (著)『法隆寺 夢殿観音と百済観音 (奈良の寺) 』岩波書店(1973年)はじめ飛鳥・白鳳彫刻の分野でも多くの論稿のある久野健(学生時代、われわれはあえて「クノケン」さんとお呼びしていた)の緻密な分析力、歴史的視野の広さ、「剛の者」の独特の筆致には当時から敬服していた。

 表記の本では相当な紙幅で法隆寺論争の意義、法隆寺の彫刻について論述している(なお、建築分野は鈴木嘉吉氏が執筆)。いま読み返しても、学生時代、久野健さんの見方が強くしなやかな下敷きになっていたことを思いおこす。
 特に、蘇我氏と鞍部氏との関係、鞍部一族の分析とそのなかでの止利の位置づけ、鞍部一族が文字通り「鞍」をつくっており、金箔、彫金、鋳造などの面で、その実用、工芸的な技法が仏像に応用されていくのではないかという推論など本書から受けた示唆は大きい。個別の仏像の分析も考証力が強く説得的である。

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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