大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

謹賀新年

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2011年 元旦

 昨年は仏画や石仏の世界、また、円空、木喰といった江戸時代に活躍した在野の仏師を再認識しました。
 仏画は平安時代以降に特異の発展をみますが、日本的な仏教受容のひとつの典型を示すものでしょう。仏画と彫刻の<相互浸透>効果も面白いテーマです。『仏教の聖画 12世紀を中心とする平安仏教の精髄』(根津美術館 1996年)などがいまの私にとってとても良いテクストです。
 石仏は学生時代に、彫刻とともに見に行った時期もありますが、あらためて時代別にその変遷をみると興味深いものがあります。民間信仰の領域といった意識が強く、いわゆる芸術品的な接近からは遠く感じることも一因かも知れませんが、「どうして峻厳な山肌に大きな仏さまが刻まれたか」、「路傍の石仏とはなにか」といった素朴な問題設定に対して、その実、わかっていることはわずかで、そこには汲めども尽きぬ深さがあると感じます。
 円空、木喰は根強い人気があり、いまでも全国で展覧会が催され目にする機会は多いのですが、丸山尚一『生きている仏像たち 日本彫刻風土論』(読売新聞社 1970年)を読んで、なぜ日本各地に円空仏、木喰仏があるのかについて、各地の当時の「経済力」と強い関係があることを、丹念なフィールドワークの成果から知り納得しました。それはたとえば、北海道の鰊が江戸時代いかに大切な資源であったかを認識する機会でもあります。
 さて、今年はどこに自分の関心が行くのか・・・。予測がつきませんが、そこが気儘な仏像探訪者にとっての妙味でもあります。本年もどうぞ宜しくお願いします。

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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