大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

『仏像 祈りの美』ほか 平凡社カラー新書

今回は以下の本(いずれも平凡社カラー新書)のシリーズを4冊取り上げる。

佐和 隆研『仏像―祈りの美』 (1974年):<佐和2>
安東 次男 ・上司 海雲 『東大寺』 (1977年) <安藤・上司>
清水 公照 ・佐多 稲子『お水取り』(1977年) <清水・佐多>
上原 和『斑鳩・西の京 』(1979年)<上原>

 まず、<佐和2>であるが、これは、<梅原>(望月信成、佐和隆研、梅原猛『仏像―心とかたち』NHKブックス20、『仏像 続―心とかたち』NHKブックス30 1965年)で紹介した如来、菩薩、明王、天の順にそって解説する方式をとった佐和の単著であり、また、<佐和>(佐和隆研『日本の仏像』至文堂 1963年)の路線を継承し、密教文化に詳しい筆者の特色の良くわかる1冊である。

 <安藤・上司>は東大寺の歴史を安藤を中心に述べた本であり、<清水・佐多>は二月堂のお水取りを中心に法事を語った本で、いずれも興味深いが仏像について参考になる要素は限定的である。

 <上原>は『斑鳩の白い道のうえに―聖徳太子論 』(1975年)で亀井勝一郎賞を受賞しており、美術史に限らず幅広いアプローチから法隆寺論などを展開する。このほかにも『聖徳太子―再建法隆寺の謎 』講談社学術文庫(1987年)、『大和古寺幻想 飛鳥・白鳳篇』講談社(1999年)、『世界史上の聖徳太子―東洋の愛と智慧』NHKブックス(2002年) などの近著もあり、和辻、亀井の後継路線を歩み、かつ亀井から聖徳太子論を引き継いでいる印象。語り口が柔らかく読みやすい。本書では北京、西安、敦煌の随筆部分が興味深い。

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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