大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

薬師寺・唐招提寺、東大寺、興福寺、法隆寺

 今回は以下の本(いずれも保育社カラーブックス)のシリーズを4冊取り上げる。

寺尾勇・入江泰吉 『法隆寺』1969年<寺尾>
永井路子・入江泰吉『薬師寺・唐招提寺』1970年<永井>
小西正文・入江泰吉『興福寺』1970年<小西>
青山茂・入江泰吉 『興福寺』1970年<青山2>

 このシリーズでは、すでに<青山>(入江泰吉・青山茂『仏像ーそのプロフィルー』1966年)および<關>(入江泰吉・關信子『仏像のみかた』1979年)を取り上げたが、その中間時点に発刊された各寺院別の紹介本であり、このほかにもいくつか出版されている。

 <寺尾>は当時、奈良教育大学教授で『飛鳥彫刻細見』(丸善)、『ほろびゆく大和』、『いかるがの心』、『奈良散歩』(いずれも創元社)などの作品がある。会津、和辻から文献史学、建築まで幅広い知識で法隆寺の良さを表現しようとしている。「斑鳩文学抄」などはエッセンスがまとめてあり有り難い。

 <永井>は当時45才、直木賞作家として活躍中で『北条政子』『絵巻』などの作品のほか、鎌倉在住ということもありこのシリーズでもすでに『鎌倉の寺』を出版している。文学者らしい筆致で、語り口がよく一気に読ませるが、実はディテールの記述もキチンと抑えており最良の案内書となっている。

 <小西>は当時少壮の32才、興福寺国宝館勤務の専門家である。興福寺の歴史を丹念に執筆しており、同寺の歳時記も取り上げており、過不足ない良好なガイダンスの書である。

<青山2>は、すでに<青山>で紹介したとおりだが、本書ではほぼ大仏に絞って記述している。しかし、<小西>と比べるとあまりにスコープを限定しているがゆえに大仏以外のことを知りたい読者には、いささか不親切である。

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