大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

円空仏

円空1
三十三観音立像 円空作 31躯 江戸時代・17世紀 岐阜・千光寺

円空の仏さま 木の生命ー浮き立つ年輪・節目・木目・色調
 
犇めく円空仏 1本の 多くの 群生する木ーそこに森をみる

森 森厳 屹立 いまの 悠久からの大呼吸ーそこに山をみる

山 神々しさ 神秘的 荒ぶる 生命の根源ーそこに神をみる

木を観じ 森を観じ 山を観じ そして 神を観じる

ーそれが円空の仏さま

 

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(以下は関連記事などの引用)

「飛騨の円空 千光寺とその周辺の足跡」展 庶民の祈りに寄り添って
2013.1.20 09:58 産経新聞ニュース

 古来より日本人は、木や岩、滝など自然の中に神聖な力を感じ取ってきた。「山川草木悉有(しつゆう)仏性(ぶっしょう)」-自然にはことごとく仏性がある-と仏教の言葉にもある。江戸前期、美濃国(岐阜県南部)に生まれた遊行(ゆぎょう)の僧、円空(1632~95年)を駆り立てたのも、「木に宿る仏を彫り出す」一念だったのだろう。

 若くして出家したとされる円空は、修験者として近畿から遠く北海道、東北まで行脚し、生涯12万体の造仏に励んだと伝えられる。円空仏は5千体以上現存しているが特に故郷に近い愛知、岐阜県内に集中して残っているそうだ。

 中でも円空ゆかりの寺としてよく知られるのが、岐阜県高山市の千光寺(せんこうじ)。貞享年間(1684~88)のころ、50代の円空は当時の千光寺住職と意気投合し、同寺に滞在しながら飛騨の人々と親交を深めたとされる。その様子は円空の没後、江戸後期に書かれた『近世畸人伝(きじんでん)』(伴蒿蹊(ばん・こうけい)著、中公クラシックス刊)にも紹介されている。

 「円空もてるものは鉈(なた)一丁のみ。常にこれをもて仏像を刻むを所作とす」
 千光寺をはじめ、飛騨地方で大切に守られてきた円空仏100体がこのほど、はるばる東京国立博物館にやってきた。「いずれも、田畑や山の仕事に携わっていた地元庶民の、切実な祈りに寄り添う仏像です」と同館東洋室長の浅見龍介さんは説明する。

 報酬を得て作る仏師とは異なり、円空は一宿一飯の礼や布施を受けたお返しとして、何より自身の修行のために、各地でおびただしい数の仏像を残した。頭に龍を乗せた「龍頭(りゅうず)観音」や「善女龍王(ぜんにょりゅうおう)」は雨ごい、あるいは豪雨をやませるため。白蛇に老人の頭を付けた「宇賀神(うがじん)像」は豊穣(ほうじょう)を祈るため。天候不順による凶作や自然災害が、高い確率で人々の命を奪っていた時代、「人々の不安を和らげようと、地元の求めに応じて造ったのでしょう」。

 円空は「千手観音菩薩立像」(清峰寺蔵)などわずかな例外を除き、1つの木材から像を丸彫りした。表面には何も塗らず、割った木の断面や節(ふし)、のみ跡も荒く残されている。特に「三十三観音立像」では眉毛や目は一本線で刻まれるのみ、手も足も判然としない。「木にもともと仏が宿っているので、その質感をなるべく失わないよう配慮したことが、この簡素で抽象的な造形を生んだのでは」と浅見さんは見る。
 実は「三十三観音」といいながら、千光寺に現存するのは31体という。「昔、近くの民家では病人が出ると、寺から像を1体借りて枕元に置き、回復を願ったそうです。時には寺に返されなかったこともあったのでしょうね」

 それでも円空は、土地に根を張り、たくましく生きる人々の力になれたことを喜んだだろう。微笑をたたえた円空仏は、その素朴なたたずまいで今もなお愛されている。そして、千光寺の大下大圓(だいえん)住職は、いま東京に円空仏を結集させる意味をこう説く。

 「円空さんは今から約350年前に東北を歩き、人々と語り、そして祈った。円空仏は『祈りの造形』であり、原点には日本人の精神性が深く関わっている。円空さんの思いを今に呼び起こし、仏像をごらんになる方々とともに、東日本大震災の犠牲者の冥福と復興を祈りたい」(黒沢綾子)


 ■立ち木の仁王像も
 『近世畸人伝』の挿絵の中に、大木に梯子(はしご)を掛けて像を刻む円空の姿が描かれている。事実、円空は千光寺に滞在中に、境内に並んで根を張っていた2本のセンノキに阿吽(あうん)二体の金剛力士(仁王)立像を彫刻した。その後、文化5(1808)年に根が腐朽したため切断され、二体は通常、同寺の円空寺宝館に安置されている。

 比較的状態の良い吽形(うんぎょう)の仁王像が今回、展覧会場の中央でどっしりと睨(にら)みをきかせている。高さ2メートル26センチと見上げる高さで迫力十分だ。


【ガイド】「飛騨の円空 千光寺とその周辺の足跡」展は4月7日まで、東京国立博物館(東京都台東区上野公園13の9)。一般900円、大学生700円、高校生400円。月休(2月11日は開館し翌日休)。問い合わせは、ハローダイヤル(電)03・5777・8600。


【プロフィル】円空

 えんくう 1632(寛永9)年、美濃国(岐阜県)生まれ。後世の伝記に「稚(おさな)きより出家」とあるが、いきさつは不明。法隆寺(奈良)や園城寺(滋賀)、輪王寺(栃木)などで法を受ける一方、大峰山(おおみねさん)(奈良)や伊吹山(滋賀)、二荒山(ふたらさん)(栃木)など霊山で修行を重ね、立ち寄った集落で仏像を作った。その足跡は北海道から近畿までの諸国に残り、5000体以上の仏像が現存する。千光寺では、その山号にちなんだ歌集『袈裟山(けさざん)百首』も残した。元禄8(1695)年、岐阜県関市の弥勒(みろく)寺で没。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130120/art13012009580001-n1.htm

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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