大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

円空 その魅力

円空3

 円空のことを考えると、行基や空海に連想がはせる。もちろん、この巨大な二人の名僧と一介の私度僧円空は同列には論ぜられないだろう。
 その一方、地方にはいまでも伝行基作とか伝空海作といった仏さまがおおくおあす。いずれも伝説の名僧にあやかって、その信仰あるいはご利益を見える形にしたいという強い願望があったゆえだろう。

 円空は彼らのように人民の苦しみを解放する、ため池灌漑も、橋梁土木工事も(指導)しなかったけれど、ひたすら多くの仏さまを現実に彫った。そして地域に惜しげもなく寄進した。行基や空海の偉大な事蹟とはことなっても、ゆく先々で、その求めに応じて、ときに自らの積極的な意思でこうした功徳をほどこした。勤行ーできることを倦まずたゆまずやり続けること。円空にとっては木に宿す仏さまをあるがままに取り出してみせること、これこそが日々の修業であり勤行であったことだろう。

 行基や空海はその後、政権中枢に重く用いられて位階を授かったが、円空は当時にあってはただの仏さまの「彫師」であった。しかし、現代に生きるわれわれにとって、これほどリアリティをもって迫ってくる「仏師」はいない。運慶以降、独創的な仏像彫刻をもってもっとも強い感銘を授けてくれる仏師は、円空であろう。それゆえ、円空の民衆とともにあるイメージは、自然にその源流を探しもとめて、修業時代、諸国をへ巡り修験道にも近しかった行基に、空海にいきつくのかも知れない。


◆空海については以下を参照
http://yamatokoji.blog116.fc2.com/blog-entry-261.html

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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