大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

阿育王

阿育王

『阿育王』(小説仏教シリーズ11)上田 圭子 第三文明社 1975年
http://blogs.yahoo.co.jp/kojinnbook999/17373456.html

仏教が世界宗教として成立するためには、布教に向けての強大な権力者の存在があった。歴史は、そのはじめの王として、阿育王(アショーカ:梵: अशोकः 、IAST:Aśokaḥ、巴: Asoka、訳:無憂〈むう〉、在位:紀元前268年頃 - 紀元前232年頃)をあげる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AB%E7%8E%8B

本書は、阿育王が非情なる修羅の世界をへて、仏教に信心し、彼の築いた大帝国にそれを広めていく過程を丁寧に描いている。激情型の暴君で、側近、臣下を皆殺しにし、多くの犠牲をしいる侵略戦争ののち、改心して仏教(ほかの宗教も含めて)に帰依していく。
不戦を掲げ法治国家を目指す施策を展開するが、その根源に仏教的な慈悲の精神をおく、といった要約となろうか。アレキサンダー大王ばりの電光石火の侵略を行なう絶対君主としての前半生、版図確定後の哲人政治を敷く後半生は暗から明への場面転換の如くである。

おそらく、多くの資料を渉猟しなんらかの出典に添って伝記を書きすすめているがゆえに、やや辻褄のあわない部分や、なによりも突然、極悪人が聖人のように変貌するあたりに不自然さも感じるが、全体としては、生真面目な筆致で阿育王の業績を丹念にトレースしているように思え、好感をもって読了。

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