大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

飛鳥大仏 いま甦るその実像

飛鳥大仏 2

以前に以下の記事(2012年10月20日)を読んだ。「飛鳥大仏 ほぼ造立当初のままの可能性 文学学術院・大橋教授らがX線分析、従来の見解覆す研究成果」(https://www.waseda.jp/top/news/6373)。
今回の読売新聞の記事はそれを踏まえたものであろうか。それはさておくとしても実に興味深い。


【以下は引用】
鎌倉期焼損も、造立の姿残す

 日本最古の本格的寺院、飛鳥寺(奈良県明日香村)の本尊・銅造釈迦如来坐ざ像(通称・飛鳥大仏、重要文化財)の材質調査に、藤岡穣ゆたか・大阪大教授(東洋美術史)らの研究グループが、今夏から取り組む。鎌倉時代に火災に遭い、ほとんど原形をとどめていないとも考えられてきたが、昨年の予備調査で造立当初の部分があることを確認。頭部についても当時の造形のまま残っている可能性が高く、再評価につながりそうだ。

 飛鳥大仏は像高275センチの鋳造仏。渡来系の仏師、鞍作鳥くらつくりのとり(止利とり仏師)が手がけ、609年に完成したとされる。奈良・東大寺の大仏造立(752年開眼)を100年以上遡り、文献上、日本で制作されたことが確認できる最初の仏像だ。

 1196年、落雷による火災で、大仏が安置されていた金堂が焼失。大仏も大きく傷ついたとされる。戦前は国宝だったが、1950年に文化財保護法が施行された際、「残存状態が悪い」と判断され、国宝再指定はされなかった。

 藤岡教授らは2013年度から、大阪市立美術館所蔵の誕生釈迦仏立像(飛鳥時代)など、5~9世紀を中心とする金銅仏約500点の調査に取り組んできた。その一環として昨年8月、この大仏の予備調査を実施。金属の成分がわかる蛍光エックス線を用いて、大仏の表面約20か所を調査した。

 その結果、右手の指と手のひらは銅87~88%、錫すず5%、鉛4%で、飛鳥時代の金銅仏の成分と特徴が一致。造立当初のものが残っていると判断した。

 予備調査では足場が組めなかったため、頭部の成分分析はできなかったが、表面は右手とよく似た仕上がり具合となっている。このため、頭部についても、造立当時の様式を保っているとみられるという。

 頭部には補修した痕跡が多数残っており、これまでは火災で大きく損傷した証拠だとされてきた。これについても、藤岡教授は「当時の技術が未熟だったため、鋳造中に欠損してしまった部位を、造立時に銅材で補った跡もあるのではないか」と指摘。大仏の顔の一部には鋳造後に金メッキを施された跡が残っており、「完成すれば、補修跡は分からなくなると考えたかもしれない」と推測する。

 本調査では、足場を組んで頭部を含む全体を詳細に分析。造立当時の部分と補修部分を区別するとともに、補修が行われた時期についても検討する。

 藤岡教授は「飛鳥大仏は我が国の仏教史上、最も重要な仏像の一つ。実態を解明したい」と話している。

2016年01月30日  読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160130-OYO1T50015.html

飛鳥大仏images

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