大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

法隆寺の謎

法隆寺金堂壁画

法隆寺の謎、そう聞くとワクワクするものがあるが、いくつかの源流がある。第1に、戦前からつづく法隆寺、再建・非再建論争というのがあって、ここには謎解きのような趣きがある。近年、科学の力で随分と見通しがよくなっている。

➡ 法隆寺再建の謎
http://yamatokoji.blog116.fc2.com/blog-entry-98.html

第2に、梅原猛『隠された十字架・法隆寺論』という書物が、挑戦的にいくつかの謎を提起した。「隠された十字架」と言われれば誰でも、「隠れキリシタン」を連想しそうだが、古くから大陸には「景教」があり、そのアナロジーをここに滲ませているかも知れない。
しかし、本書を読むと、「景教」ではなくむしろ呪術的な要素が強く、これは平安初期の密教的な色彩が強い。ちなみに「秘密」という言葉も密教からきている。具体的な指摘に対しては、多くの反論(というより誤りの指摘)がなされている。
たとえば、梅原 猛『隠された十字架―法隆寺論』(新潮社 1972年)、梅原 猛『聖徳太子(1)~(4)』(集英社 1993年)に対して、武澤 秀一『法隆寺の謎を解く』(筑摩書房 2006年)などを参照。

➡ 隠された十字架
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A0%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%8D%81%E5%AD%97%E6%9E%B6

第3に、古くから伝承などで語られてきた謎がある。なかには「日本昔ばなし」のような微笑ましいものもある。

法隆寺の謎
http://www.nikkei.com/article/DGXLASIH22H07_S4A021C1AA1P00/

さて、こうした3つの源流をすべて踏まえ、法隆寺の公式見解?を表明した本がある。高田良信『法隆寺のなぞ』 (主婦の友社 1977年) である。この本を読むと、「なあんだ、法隆寺の謎のネタ本はここにあったのか」と合点がいく。

➡ 参考文献リスト2
http://yamatokoji.blog116.fc2.com/blog-entry-57.html

ところで、法隆寺は高田良信さんの発想力が豊かで、「謎」をいまにいたるまでブームとしているが、もともと「謎」という字を分解すれば、よまいごと(世+)に通じる。
また、法隆寺は「持てる寺」で古くから分厚い文物の蓄積があるが、持てば持つほど、わからないことが多くなるのは理の当然。その点では、興福寺も東大寺も薬師寺なども同様。しかし、なんと言っても、法隆寺は聖徳太子がらみの寺であり、その太子の実在についても諸説が提起されているので、これに拍車がかかっているとは言えるだろう。

➡ 聖徳太子のまなざし
http://yamatokoji.blog116.fc2.com/blog-entry-485.html

➡ 聖徳太子について(11)
http://yamatokoji.blog116.fc2.com/blog-entry-146.html

法隆寺金堂壁画2



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