大和古仏探訪

京阪神を中心に内外の古仏についていろいろと書いてみたいと思います。

古都遍歴ー奈良ー

竹山道雄『古都遍歴ー奈良』新潮社(1954年)

<竹山の略歴>
日本の評論家、ドイツ文学者、小説家。
銀行員の息子として大阪に生まれる。父の転勤に伴い、1907年から1913年まで京城(現在のソウル)で過ごす。

東京府立第四中学校(現在の東京都立戸山高等学校)から第一高等学校を経て、1926年に東京帝国大学文学部独文科卒業。ドイツ語講師として第一高等学校に勤務。1928年から文部省に派遣されてベルリンとパリに留学。1931年に帰国し、第一高等学校の教授となる。戦後、第一高等学校が東京大学教養学部に改組されてからも教授を続け、1951年に退官してからは上智大学などの講師を歴任した。

訳書にニーチェ『ツァラトゥストラ』やヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女ハイジ』など。日本におけるシュヴァイツァーの紹介者としても知られる。
小説家としては、一高教官として多くの教え子を戦場に送り出した体験に基づき、1947年に『ビルマの竪琴』を発表。

評論家としては、1940年、日独伊三国同盟締結に際して『ドイツ、新しき中世?』を発表し、全体主義の台頭に警鐘を鳴らした。戦後は、1950年代から、当時の日本の盲目的な社会主義賛美の風潮に抗してスターリニズムへの疑念を表明。中道保守の立場から、左右双方の全体主義に警鐘を鳴らし続けた。1983年、日本芸術院会員。著作集全8巻がある。

 以前はあまり感心しなかったが読み返してみると実に面白い。当時の日本の文化人が古今の知識に通じ専門家バカになっていない博識ぶりに舌を巻く思いである。
 特に冒頭の法隆寺中門を巡る新説は、その後、梅原猛らによって激しく批判されてかえって有名になったが、当時にあってこうしたユニークな見解を表明できたことをもっと評価してもいいかも知れない。

テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

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